●時 間10:30〜12:00
●演 題
第1講 世界が水を奪い合う日と水ビジネス
●講 師 アクアスフィア 橋本淳司事務所代表 橋本
淳司
●内 容
世界各地で起きている水の争奪戦を見ていきます。水争奪戦は、水資源をめぐる国家間の紛争・戦争だけではありません。水利権や上下水道ビジネスをめぐる経済戦争でもあります。企業間同士で争う場合もあれば、企業と地域社会が争う場合もあります。今後の水ビジネスは、「地球環境」「経済活動」「地域社会」の3つを連立させることが重要です。
本セミナーでは、事例をまじえながら最新情報をリポートします。
1.世界の水紛争
地帯を歩く
2.水問題とは何か
3.現代の水ビジネスのトレンド
4.日本勢の長所と短所
5.今後求められる水ビジネス
(講師プロフィール)
ジャーナリスト、アクアスフィア代表(http://www.aqua-sphere.net/)
学習院大学卒業後、出版社勤務を経て現職。
水問題を専門に活動。日本国内、フランス、米国、英国、トルコ、中国、オーストラリアなど、世界各地の水辺を歩き、水の持続利用の可能性について考え、循環とバランスを重視した水利用のあり方を訴えている。日本水フォーラム節水リーダー、東京学芸大学客員准教授など歴任。
(主な著書)
『おいしい水
きれいな水』(日本実業出版社)
『水の大研究
不思議な世界をのぞいてみよう』
『水問題の重要性に気づいていない日本人』
『世界が水を奪い合う日、日本の水が奪われる日』(以上、PHP研究所)
<昼休憩12:00〜13:00>
●時 間13:00〜14:00
●演 題
第2講 各国の上下水道
事情と最新 水質管理
手法
●講 師 WERI水環境研究所(技術士事務所)所長・技術士(衛生工学) 一戸
正憲
●内 容
近年の化学工業の発展は、各種の化学物質を生産消費する。生活水準の向上は、食糧生産の効率化を求めて農薬・化学肥料を必要とし、またヒトの移動が大きく速くなったことなどとあいまって、今までと異なった化学物質や病原生物(クリプトスポリジウム)を水道水
現に出現させることになった。新たに出現した有害化学物質や病原生物における、ヒトの健康に対するリスクの評価と安全を維持するための管理が必要になっている。
水道事業では、オゾン処理、活性炭処理などの高度処理、消毒用塩素に耐性を持つ病原生物の除去に膜ろ過法、紫外線消毒技術が追加されている。下水道事業は、化学物質管理促進法に基づいて放流水、焼却灰、排ガス中の対象物質の排出量、移動量の届出が義務付けられている。
1.新たな化学物質や病原生物の出現
2.水道水
源の水質保全
3.消毒副生成物と水系感染症
4.水道水質基準の国際比較
5.新たな水処理
追加によるリスクの低減
6.環境汚染物質排出移動登録制度
(講師プロフィール)
1973年12月 水道局東村山浄水管理事務所副主幹
1976年8月 水道局水質センター監視課長
1984年4月 水道局浄水部水質担当課長
1988年4月 水道局水質センター所長
1992年7月 (社)日本水道協会工務部水質課長
1997年10月 (社)日本水道協会工務部主幹、水道技術総合研究所長代理
1999年5月 (株)水環境総合研究所主席研究員
2006年4月 WERI水環境研究所(技術士事務所) 現職
●時 間14:05〜15:05
●演 題
第3講 自然エネルギーを利用した海水の淡水化・汚水の清浄化装置の開発
●講 師 仙台電波工業高等専門学校 電子工学科 教授/研究担当副校長 羽賀
浩一
●内 容
近年の温暖化に伴い、地球の淡水資源であるヒマラヤ等の高山の氷河、南極・北極の氷が大幅に減少しつつある。また、異常気象の続発により、世界地図上の洪水と干ばつの地域が完全に色分けされ、緑地の砂漠化が深刻となっている。温暖化の問題に加え、人間社会が排出する汚水も年々増加の一歩をたどり、地域住民の努力で清流が帰ってきた河川も多く見られるが、水流の出入りが少ない湖、沼においては汚水によるプランクトンの異常発生が頻繁に起こり、生物が住めない下水のような沼も増加しつつある。
飲み水となる淡水の減少に対する歯止めとして、地球の水資源の97%を占めている海水を淡水化するという水ビジネスがマスコミにも取りあげられ、海外では国策として積極的に研究・開発を推進している。日本国内でも、先端技術を駆使した多くの淡水化法が提案されているが、どの方法も多大な電気エネルギーを消費し、エネルギー資源の乏しい開発途上国には無縁の技術開発となっている。また、温暖化防止を目指して世界が一丸となって進めているCO2の削減とは相容れないものであり、環境というキーワードを旗印に水ビジネスを成功させるには更なる技術革新が望まれている。
本セミナーでは、従来型の淡水化法の概略について説明し、自然エネルギーを利用した淡水化法の可能性、そして、それを実現するための開発
課題
等について詳しく説明する。
1.地球環境の変化と水ビジネスの現状
2.従来型の淡水化技術(逆浸透法、単蒸留法、多重効用
蒸発法、多段フラッシュ
蒸発法、冷凍法)
3.太陽光エネルギーと淡水化に必要なエネルギー量
4.自然エネルギーによる海水の淡水化装置について
5.汚水の清浄化への応用
(講師プロフィール)
1993年3月 博士(工学)取得(東北大学)
1994年3月 (株)リコー 技術開発本部 応用電子研究所
退職
1994年4月 仙台電波工業高等専門学校 電子工学科
助教授 採用
2003年9月 電子工学科 教授
2005年4月 電子工学科 学科長
2007年4月 研究担当副校長、地域連携テクノセンター長、現在に至る
(所属学会)応用物理学会、電子情報通信学会、表面科学会
(研究歴) ・MO-CVDによる酸化亜鉛の作成とデバイス応用
・ナノ単結晶酸化亜鉛ファイバーの作成と光触媒への応用
・異業種間研究(海水の淡水化、都市農業、カビの除去)
(採択された公的プロジェクト)
・仙台市知的クラスタ創成事業(H16−17)
・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
産業技術研究助成事業 (H18−H20まで)
・科学研究補助金 基盤研究B(H8−H9)、
基盤研究B(H18−H20)、萌芽研究(H19-H20)
・JSTシーズ発掘試験(H20)
製品化:減圧MO-CVD装置
<休憩15:05〜15:20>
●時 間15:20〜16:20
●演 題
第4講 世界の水事情とビジネスチャンス
●講 師 日本ポリグル株式会社 代表取締役会長 小田
兼利
●内 容
現在、世界では、高度浄水処理をされた安心な水を得られる先進国の人と、川や池の水などの不衛生な水を飲まざるを得ない人との二極化が進んでいます。
世界人口の約70%に相当する約40億人が、年間所得3,000ドル未満の収入で生活しており、その層がBOP(ボトム・オブ・ピラミッド)層と位置づけられ、安心してきれいな水を得ることが出来ないと言われています。このBOP層へのビジネスを行うために当社では、文字が読めなくても、電気が無くても、小集落できれいな水の供給ができるような技術開発に取り組んでいます。
本セミナーでは、『世界中の人々が安心して生水を飲めるようにすること』を理念として掲げる、当社の事業内容と製品(凝集剤)のご紹介をさせて頂きます。
1.ポリグルタミン酸を使った安全なPGα21Ca、PG-Mの実演
2.BOP層のビジネスに関する提案
3.高付加価値によるハイレベルな浄水処理とシンプルな浄水処理に関して
16:30 終了 |