●時 間10:00〜11:30
●演 題
第1講 微細藻類の工業利用と微細藻類のエネルギー資源としての可能性
●講 師 電源開発株式会社 若松研究所 主任研究員 松本
光史
●内 容 非食料バイオマスとして微細藻類が注目されている。微細藻類は、太陽エネルギーとCO2、
微量塩から様々な物質を産生することができる。それらは、アスタキサンチンや
β−カロテンなどのカロテノイド色素、EPAやDHAの高度不飽和脂肪酸、タンパク源、
近年ではエネルギー源など多岐にわたっている。
そこで今回、有用物質生産者としての微細藻類についてこれまでの研究開発を振り返り、
工業利用に至った微細藻類の成功例を踏まえながら、微細藻類の工業化への課題について述べたい。
さらには、昨今のバイオマスエネルギー
源としての微細藻類の可能性について論じ、
特に、海洋 微細藻類の活用について解説したい。
1.はじめに− 微細藻類とは
−
2.微細藻類が産生する有用物質
3.工業化に必要な周辺技術
4.微細藻類を用いたエネルギー生産
5.微細藻類の新規
培養
(講師プロフィール)
1995年 東京農工大学 卒業
1997年 ハワイ大学 自然エネルギー研究所(HNEI)
研究員(〜1998年)
2000年 日本学術振興会 特別研究員(〜2002年)
2001年 東京農工大学大学院 博士後期課程 修了
博士(工学)取得
2002年 電源開発株式会社入社、現在に至る。主任研究員
東京農工大学 客員准教授(2009年〜)
●時 間11:35〜12:35
●演 題
第2講 高濃度 藻類
培養技術
開発の問題点と藻油の燃料化技術
●講 師 株式会社筑波バイオテック研究所 代表取締役
農学博士 筑波大学名誉教授(現在、国際農業工学会
事務局長) 前川 孝昭
●内 容
微細藻類の培養における問題点を提示し、これを克服して経済性のあるフォトバイオアクターの構築の概要を示す。
さらに米国OriginOil社が開発した藻類に含まれる油脂の抽出分離法を概説し、これを炭化水素燃料に加工するプロセスについて示し、今後の事業展開についての展望も述べる。
1.微細藻類の高濃度
培養技術
開発の問題点
・微細藻類に活用に関する歴史
・セルサイクル
・光合成における波長
・光合成反応
・カルビン・ベンソン反応
・脂質の誘導
・窒素障害
・栄養塩供給
2.工学的問題
・ゲートラー渦
・LED,CCL
・藻油の炭化水素と石油系燃料の炭化水素組成との比較
・各種炭化水素化プロセスのEN580ディーゼル油特性比較
・炭素数とCFP
・二酸化炭素の溶解と藻油への供給技術
・微細藻類の高濃度培養例
・油脂の抽出分離の方法
3.微細藻類の二酸化炭素吸収能と排出量取引のビジネスモデル
・光合成における物質収支
・燃料と飼料
・排出量取引のビジネスモデル
4.まとめ
(講師プロフィール)
1967年 東京教育大学大学院 農学研究科 修士課程農業工学専攻
修了
1976年 筑波大学 農林工学系 講師
1977年 農学博士(北海道大学)
1985年 米国州立ハワイ大学 熱帯農学部 農業工学科
客員研究員
1992年 筑波大学 農林工学系 教授
1994年 筑波大学大学院 バイオシステム研究科 科長(〜1998年)
2000年 筑波大学 農林工学系長(〜2004年)
2005年 日本学術会議 連携会員(〜2011年)
2006年 国際農業工学会 事務局長(〜2009年)
2006年 シンガポール国化学工学研究所 顧問教授(現在に至る)
2006年 筑波大学名誉教授(現在に至る)
<昼休憩12:35〜13:35>
●時 間13:35〜15:05
●演 題
第3講 緑藻の大量栽培による大気CO2吸収とバイオ燃料・食糧生産の可能性
●講 師 四国大学 短期大学部 生活科学科 教授 西尾
幸郎
●内 容
石油等の化石燃料から排出されるCO2などが、世界平均温度と海面水位の上昇をもたらしています。
イカダモを始めとする微細藻は、樹木の十倍以上のCO2固定能をもち、種によっては50%が油です。本セミナーでは、新しいバイオ燃料と食糧を人々にもたらし、大気CO2の増大を防ぐ微細藻の未来を紹介します。
1.野外栽培条件での微細藻
探索
2.イカダモの増殖能力
3.イカダモの細胞構造
4.30Lから2トン水槽での培養
5.20トンから100トンでの栽培
6.栽培したイカダモから乾燥粉末の調製
7.イカダモの粗脂肪量
8.ガスクロマトグラフおよびLC/MSでの成分分析
9.プロトンNMRによる脂質簡易定量
10.メチルアルコール超臨界抽出物の検討
11.イカダモからBDF生産の可能性
12.イカダモによるCO2
固定の予測
(講師プロフィール)
1974年 香川大学大学院 農学研究科 農芸化学専攻
修了
1978年 四国大学 家政学部 助手
1984年 四国大学 短期大学部 助教授
1989年 農学博士(東京大学 )
1989年 タイ国シーナッカリンウイロート大学 海洋生物研究所
1993年 四国大学短期大学部 教授、現職
1999年 ミシガン州立サギノバレー大学 理工学部
2007年 微細藻石油代替燃料研究を開始
<休憩15:05〜15:20>
●時 間15:20〜16:20
●演 題
第4講 炭化水素生産 微細藻・ボツリオコッカスの分離、培養、燃料評価
●講 師 (前)(財)地球環境産業技術研究機構 生物的CO2
固定化プロジェクト
主任研究員 村上 信雄
●内 容
Botryococcus
braunii(ボツリオ)は乾燥重量の50%もの炭化水素を、藻体内に蓄積する微細藻類として知られている。自然界では大量発生し、オーストラリアのダーウィン湖では湖岸に打ち上げられたボツリオが層をなしていたとの報告もある。オイルショック以降、人工培養が試みられたが、増殖が遅く、培養が困難と言われていた。
本セミナーでは、1990年から10年間実施された(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)の生物的CO2固定化プロジェクトの成果について紹介する。
本プロジェクトにおいて、ボツリオの分離技術を確立し、日本各地から90株のボツリオを分離した。
選抜した株を用いてボツリオが高濃度(約10g/l)で培養でき、増殖量が高いことを示した。
その他、低栄養培地で増殖でき、濾過で回収できることなどのボツリオの優れた性質、100l培養槽を用いた屋外培養、燃料評価についても紹介する。
1. Botryococcus
brauniiとは
2.B. brauniiの分離技術と日本各地からの分離結果、優良株の選抜
3.培養条件の特徴と高いCO2固定量
4.屋外培養と燃料評価
(講師プロフィール)
1974年 名古屋大学農学部卒業
同年 出光興産(株) 入社
1991〜1999年度 (財)地球環境産業技術研究機構生物的CO2固定化プロジェクトに従事
16:30 終了 |