■講演会の概要
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●日 時 |
2011年3月11日(金) 10:30〜17:00 |
●会 場 |
ホテル機山館 地下会議室
<東京都文京区本郷4-37-20> 会場地図はこちら
※急ぎのご連絡は(株)メガセミナー・サービス(TEL06-6363-3372)まで!!
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●受講料 |
49,560円(1人/税込み)
※資料代を含む |
●主 催 |
(株)エヌ・ティー・エス
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●概 要 |
第1講 廃製品からのレアアースの回収とリサイクル
宮川 英樹(リサイクルワン)
第2講 バクテリアによるレアアースの吸着とそのメカニズム
〜バクテリアによるレアアースの回収法確立に向けて〜
高橋 嘉夫(広島大学)
第3講 希土鉱物分離性調査と希土類蛍光体粉選別等のリサイクル
藤田 豊久(東京大学)
《無料特別講演》 ※資料なし (要事前予約、定員になり次第しめきり)
レアアース政策の全体像 〜ユーザー企業が主役〜
川渕 英雄(経済産業省) |
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■講演会のプログラム内容 |
第1講 廃製品からのレアアースの回収とリサイクル
●時 間10:30〜12:00
●演 題
●講 師 株式会社リサイクルワン 環境コンサルティング事業部
マネージャー 宮川 英樹
●内 容
昨今、尖閣諸島沖の事件後に、中国の対日レアアースの輸入が問題視されました。レアアースは、日本メーカーが得意とするハードディスク基板や工学ガラスなど電子部品に使用されており、素材そのものの供給が止まれば、製造に影響がでるからです。
そんな中、わが国としてはレアアース総合対策を打ち出し、素材確保の手段としてリサイクルの
開発などに積極的に取り組むようになってきております。
本セミナーでは、前述の背景からどのような市場が想定され、どのようなリサイクルが求められ、メーカーに、どのような影響を及ぼすのかを示したいと思います。
1.レアアース(希土類)の現状と今後の見通し
(1)レアアースの需要と価格の動向
・レアアースの国内需要と関連製品 〜Nd-Fe-B系磁石製品、金属Nd+Pr、ハイブリット車、
小型モーター、UVガラス、触媒、蛍光体〜
(2)レアアース資源に関する政策の動向と今後の見通し
2.レアアースのリサイクル市場と今後の予測
(1)レアアースの特性
(2)レアアース リサイクル市場の特性と今後の予測
3.レアアース リサイクルにおけるビジネスチャンス
(1)回収・リサイクルにおけるビジネスチャンス
(2)レアアースにおけるリサイクルビジネスの戦略〜具体的な展開とは〜
・回収・リサイクルシステム構築のポイント 〜市場原理に適した回収方法、回収スキーム〜
・参入のポイント
・分離/回収システムの選定
<昼休憩12:00〜13:00>
第2講 バクテリアによるレアアースの吸着とそのメカニズム
〜バクテリアによるレアアースの回収法確立に向けて〜
●時 間13:00〜14:30
●演 題
●講 師 広島大学 大学院理学研究科 教授 高橋 嘉夫
●内 容
本セミナーでは、バクテリアへのレアアースの吸着反応とそのメカニズム、及びバクテリアを利用したレアアースの回収法の可能性について紹介する。
バクテリア細胞表面には、カルボキシル基やリン酸基など、陽イオンと反応する官能基が多く含まれる。レアアースはバクテリア細胞表面に効率的に回収され、特に原子番号が大きく希少なレアアースほど吸着され易いことが分かった。
X線吸収スペクトルの解析などにより、この吸着反応はリン酸との錯生成であることが示され、このことはバクテリアやその関連物質でレアアースを回収する方法を開発する上で、有用な知見である。またこの現象は、細胞壁の構造が異なるグラム陰性菌とグラム陽性菌のいずれでも同様に見られ、多くのバクテリアで共通の現象であることが分かった。
1.バクテリア細胞壁の構造
2.バクテリアへのレアアースの吸着
3.バクテリアへのレアアースの吸着メカニズム
4.レアアース回収へのバクテリアの利用の可能性
講師プロフィール
1997年 博士(理学)(東京大学)
2000年〜2009年 広島大学准教授
2009年〜 広島大学教授
現在、東京大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻教授
学会活動
2010年 日本地球化学会和文誌「地球化学」編集長など。
専門:環境化学、地球化学、放射光科学。
その他:受賞2件、発表論文100件。
<休憩14:30〜14:40>
第3講 希土鉱物分離性調査と希土類蛍光体粉選別等のリサイクル
●時 間14:40〜16:10
●演 題
●講 師 東京大学 大学院工学研究科 システム創成学専攻 教授 藤田 豊久
●内 容
希土類鉱物の分布、特性、選鉱製錬処理方法について概説する。続いて、代表鉱物のバストネサイトなどの鉱物の密度、電磁気的特性、表面の特性から分離の可能性について示す。
一方、リサイクル研究として、3種の蛍光体混合粉の選別方法を取り上げる。界面活性剤を用いた異なる微粒子混合物の液液分離の原理、性質、方法について示す。その際に、表面間力を用いた液中に存在する微細粒子の分散粒子径および凝集体径測定法も紹介する。
最後に廃光学ガラスからの希土類回収方法として、ガラスのアルカリ溶融処理方法、ついで晶析法あるいは溶媒抽出法による希土類元素の分離回収方法を示す。
1.希土類鉱物と処理法
2.バストネサイト等希土類鉱物の特性と物理的分離可能性
3.3種の蛍光体粉の液液分離
4.廃光学ガラスからの希土類元素の回収
講師プロフィール
1983年 工学博士(東北大学)
1995年〜2003年 秋田大学 教授
1998年 米国セントクラウド大学客員教授、東北大学客員教授
2002年〜2003年 秋田大学SVBL長
2003年〜東京大学 教授
現在、東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻教授
学会活動
2005年〜9年環境資源工学会会長。
専門:リサイクリング、鉱物処理、環境浄化、機能性流体。
その他:受賞20件、特許60件、発表論文300件。
<休憩16:10〜16:20>
レアアース政策の全体像
〜ユーザー企業が主役〜
≪無料特別講演≫※資料なし
※要事前予約、定員になり次第しめきり
●時 間16:20〜16:50
●講 師 経済産業省 製造産業局 非鉄金属課
課長補佐 川渕 英雄
●内 容
我が国のレアアースやレアメタルに関する政策と言えば、海外鉱物資源確保政策を軸に組み立て
られてきた歴史が長い。すなわち、純粋に資源確保政策としてのレアアース・レアメタル政策で
あったが、昨今は、産業政策としての位置づけで、政府部内では議論されている。
今まで、資源は、コモディティであり購入してくれば良いという考え方が長らく続いたが、3年ほど前から、「資源ナショナリズム及び国家資本主義的な考え」から、既に、利用産業国はただ資源国から購入するだけという対応では、資源の調達は困難な時代になり、国家間の対話が重要になっていたところ。
こうした状況下では、供給源の多様化は必要不可欠であるが、レアアースについては、中国への
依存度が大きい時代が久しく続き、供給源の多様化が間に合っていなかった。この様な状況下で、2010年7月の輸出枠の急激な削減(半期で7割減、年間4割減)が発生し、新たな供給先の確保だけでは不十分であり、ユーザー企業のより一層の努力が必要な状態になってきていた。
こうした観点から、供給先を多様化する政策も重要であるが、ユーザー企業がこうした変化に
柔軟に対応し、国内で安定的に製造活動を継続できるように、政府としても支援政策を用意した
ところである。
また、レアアースユーザー企業の多くが、高度技術を有し、自動車産業等我が国の得意とする
製造業を支えていることも、改めて認識されたことも、今回の支援政策が出来た根幹にあると言える。
本セミナーでは、こうした国のレアアースを取り巻く政策の流れや方針、重点事項を紹介する。
終了17:00
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